佐久のbajaさんの小諸市「あぐりの湯」福祉風呂レポート

 佐久のbaja(バハ)さんから「あぐりの湯こもろ」のレポートが送られてきました。
 佐久のbajaさん、ありがとうございます。

 「あぐりの湯」福祉風呂は、電話予約が必要です。
 電話は0267−24−4126(ヨイフロ)

 電話申し込みの時に利用者、利用したい福祉風呂(2タイプ)を聞かれます。
 利用時間を申し込みます。予約時間がきっかりと時間割りされているわけ
ではないので、例えば1:30からとか変則的な時間でも応じてもらえます。
 したがって先約がある場合は変則的な時間になる可能性があります。
 利用料金は2時間で1,000円です。

 介助者が一般の大浴場を利用したいのなら介助者は入場券(大人500円)
を払う必要がありますが、介助者は大浴場に入らない、若しくは一緒に福祉
風呂を利用する場合は2時間の料金に含まれます。
 なお身体障害者手帳の提示は必要ありません。利用制限がないということ
です。したがって手帳申請中やもっと障害が軽い方、乳房切除などで大浴場
の利用はいやだという方でも利用できると思われます。
 しかし設備が重度用なので、障害度合いによって利用を優先させる点では
考慮されなければならないと思います。
 対応はどのようになっているのか確認が必要だと思います。

 
 タイプは下記の写真参照で2タイプの福祉風呂があります。
1.椅子タイプ   介助は車椅子レベルで座位保持可能な方向け用
2.ベッドタイプ   介助は座位移動レベルの方向け用
 分類は母(左片麻痺、体幹障害)が利用した上で介護面での分類を私がし
たもので、これ以上の方でも介助者の人数によっては可能だと思われます。
 
 あぐりの湯は小諸市の南側に位置した御牧原台地と呼ばれる台地の中腹
にあります。景色はとてもよいですが、車ではとてもわかりずらいところにあり
ますので十分な下調べが必要です。
 駐車場は一般の方は少し歩くようになりますが、身障者用の駐車場は玄関
脇にあります。またその駐車場にも福祉風呂予約者の専用の看板が出てい
ますので当日身障者の利用が多くない限りは安心して駐車できるようになっ
ています。建物はすべてバリアフリーです。玄関とホールは10cmの段差が
ありますが、スロープがついています。
 福祉風呂は玄関ホールから向かって左側の大浴場のそのまた奥になりま
す。普段はドアで閉められた位置にありますので一般者が前を通りすぎるよ
うなことはありません。建物は広くホールや廊下の巾も十分なので車椅子で
移動するときも気を使わなくて済みます。
 
 初めて利用する方はスタッフが設備の操作方法を親切に教えてくれます。
 2時間の範囲内ですが、鍵つきなのでスタッフの説明が終わると鍵を閉め
て個室状態にすることができます。入浴後にゆっくりとすることができます。
 残念ながらここで飲食をすることは禁止されています。衛生上の問題だと
お考えください。
 

 これは入口と脱衣場になります。写真はベッドタイプの福祉風呂です。
 椅子タイプの福祉風呂もこれと同じ間取りになります。


 これもベッドタイプの福祉風呂の脱衣場です。ベンチと衣装カゴがお
てあります。尚トイレは付属しておりません。また手摺もありません。
 私は浴室との間の引き戸のドアまで車椅子を持って行きそこで立ち
座りさせて母の服を着替えさせました。手摺は改善してほしいものです。
 
 これは椅子タイプの福祉風呂の脱衣場から浴室を見た写真です。
 
 これは椅子タイプの福祉風呂の専用デッキから浴室と脱衣場を見た
写真になります。
 
 椅子タイプの福祉風呂です。浴室入り口からの写真になります。
 浴室からそのまま専用デッキにでることが出来るようになっています。
 対面の山々を見ることができます。残念ながら浅間山は見ることが
出来ません。

 椅子タイプの福祉風呂です。浴槽に一体型になったリフトでモーター
で上下できます。これは最大にあげた状態です。下げると車椅子高さ
まで降ります。手摺は可動式で移乗のとき麻痺の側を考えてアプロー
チできます。残念ながらシャワー車椅子が装備されていませんのでご
自分の車椅子のままでリフトにアプローチするようになります。写真の
状態まで上げたら回転は手動で行います。時計回りで90度回転させ
ることが出来ます。回転し終わったらリモコンで下げます。

 利用してみて残念な点は浴槽が洋風バスで長くて浅いタイプだという
ことです。リフトに座らせた状態ではリフト椅子の座面の厚みがあるの
で小柄な方でも胸辺りまでしか湯につかることは出来ません。また伸ば
した足が対側の浴槽縁に届きません。ホテルのユニットバスを思い浮
かべていただければ分かると思います。リフト椅子に座った状態のまま
で腰を滑らせれば多少沈み込むことが出来ますが座面がプラスチック
なので健側で保持が出来ない方は介助が必要です。母の場合健側の
右手が強いので浴槽内でリフト椅子を降りて前に移動してリフト椅子を
あげ、もっと沈み込む動作をしてみましたが、健側の右手だけで浴槽の
グリップを握っても足が浴槽縁に届かない為にバランスが悪くなってしま
い危険でした。半身浴でよいという方には満足の行く設備だと思います。
 まずはこちらを利用しましたが、このとき利用してみて施設の方から感
想を聞かれ、前述のことを言ったら、ベッド式の方の福祉風呂を見せて
くれました。

 
 ベッドタイプの福祉風呂です。椅子式を利用してから後日こちらを利用
しました。こちらはリフトがキャスターで移動出来ます。このまま脱衣場に
持って行き脱衣場で車椅子から移乗させます。
 浴室内では浴槽があるため車椅子を置いて移乗させるスペースがあり
ません。緑色のホースが浴槽に伸びていますが、これが温泉の蛇口です。
 浴槽には専用の湯と水の蛇口がありますがこれは水道水になります。
 体の状態で湯と温泉を選ぶことも可能です。
 温泉については椅子タイプの福祉風呂も同様です。
 
 移動ベッドは背中面、足面ともに角度が変えることが出来ます。角度の
調整は2段階しかありませんので浴槽の縁の角度にはぴったりあわせる
ことが出来ませんのでリフトを浴槽で下げるときに頭部のハンドルを持っ
てゆっくりとやれば浴槽縁に沿わせることができます。
 お腹の部分のバーが降りて落下防止と健側の手で保持できるバー代
わりになります。脱衣場での手摺代わりにもなったので移乗も楽に行え
ました。
 このあと利用者を乗せて浴槽の高さまでリフトしたら、柱のバーを握っ
て架台のキャスターを浴槽の下までもぐりこませるように浴槽まで移動
させてからリフトを下げます。
 
 これはベッドタイプの福祉風呂の専用デッキから浴室と脱衣場を見た
写真になります。キャスタ付きのベッドタイプ移動リフトはそのまま脱衣
場まで移動できますが、脱衣場と浴室の引き戸の巾がリフトの巾とぎり
ぎりなので母を乗せたまま移動させるには気を使いました。この日は私
の妹と一緒に行ったので頭側と足側のハンドルを持ちながら2人で移動
させましたのでうまくいきましたが、1人の介助では苦労すると思います。
 ベッドの材質は風呂マットの素材です。背中の角度をつけてもお尻が
ずれることはありませんでした。浴槽に沈めるとちょうどホテルのユニッ
トバスに浸かったような状態を保持することが出来ましたので体全体を
湯に沈めることができました。
 母にはこちらのほうが利用しやすいと思いました。
 
 これはキャスタ付きのベッドタイプ移動リフトの上下操作部分です。
 本体のモーターはここに入っていて電源は充電バッテリー式ですので
コードレスです。利用する日に沢山利用者がいた場合、バッテリーのも
ちによってコードをつけなければならないかもしれません。
 
 なんと浴槽自体が上下できます。最大に下げるとキャスターが浴槽の
下部と当たりそうなので多少浴槽をあげましたが、満水状態で片持ち式
の浴槽を上げてゆくと大丈夫かなと不安になりました。
 
 全体の感想はきわめて良好だと思います。私の家はここから車で10
分くらいなので、家で母を着替えさせてつれて来るまで40分もあれば十
分です。いままでここは母が健常の時から何度も利用していましたが、
福祉風呂の存在すら気がつきませんでした。真意は分からないのです
がここは一般にいう家族風呂的な福祉風呂と違い、装備が充実してい
ますので、重度障害者を優先させたいのかもしれません。
 とはいえ利用の制限などないようですから施設側の告知や姿勢が問
われます。もっと広く利用がされれば良いと思います。利用状況を施設
の方に聞いてみたのですが、平日は殆んど利用がないとのこと、また
日曜日でも数組だけなようです。
 実際今回ベット式のほうを予約したのは、利用日(日曜日)の同じ週
の水曜日でしたから比較的予約は取りやすいと思います。
 平日なら確実に利用できると思われます。
 
 
 私のレポートは以上ですが、私も学さんのページを見て母を温泉に
連れて行こうと勇気が湧いてきたのです。これからも続けて行って下
さいね。必ず私と同じ考えを持った方が沢山居るはずですから。
 
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